一般貨物自動運送事業の許可とは?

運送業許可

運送業許可は、「他人から依頼を受け、お金を貰って旅客・貨物の運送をする」場合に必要となる許可です。

この定義だけでは分かりにくいと思いますので、まずはイメージしやすいように、許可が必要ないケース(該当しない場合)と、必要なケース(該当する場合)の典型的な例を見てみましょう。

例えば、貨物運送の場合の該当する場合としない場合を説明します。

該当する場合(運送業許可が必要)

ケース①|取引先の荷物を運ぶ場合

取引先(自社以外)の荷物を有償で運ぶ場合は、運送業許可が必要です。

【例】株式会社A商事から依頼を受け、新潟市の物流センターから店舗まで商品を運ぶ

この場合、株式会社A商事から荷物を運んだ分の運賃をもらう形になるため、運送業に該当します。

ケース②|グループ会社の荷物を運ぶ場合

グループ会社の荷物を運ぶ場合も、運送業許可を取得しなければなりません。

【例】製造業をおこなうA社は、製造した部品を輸送するためにグループ会社として「運送会社B」を新たに立ち上げ、運送会社Bに取引先まで部品を運ぶよう依頼した

この場合、グループや系列は同一であっても法律上は「別会社」の扱いになりますので、最初の定義に当てはめれば「他人からの依頼」ということになります。そして別会社であれば当然、運賃の受け渡しが発生することになるので、運送業許可が必要です。

ケース③|引っ越し業をおこなう場合

引越し業は他人の荷物をトラックで輸送し、その対価として運賃をもらう事業のため、運送業許可が必要になります。

ただし特例として、引越し輸送が集中する3/15〜4/15までの期間に限り、レンタカー(白ナンバー車両)の使用が認められています。

(参照元:貨物自動車運送事業者の引越シーズンにおけるレンタカー使用の取扱いについて(国土交通省))

ケース④|積載車を使って自動車を運ぶ場合

積載車を使って自動車を輸送する場合も、運送業許可を取得しなければなりません。

【例】自動車ディーラーから依頼を受けて購入者のもとまで積載車で自動車を運ぶ

※ただし、自動車整備事業者が依頼を受け、自社工場に無償で持ち込んで修理をおこなう場合は、運賃の受け渡しが発生しないため運送業許可は必要ありません。

ケース⑤|霊柩車を使用してご遺体を運ぶ場合

通常、人を有償で運ぶ場合は、タクシーや路線バスと同じ「旅客自動車運送事業」に分類されます。

しかし、人は亡くなると法律上では貨物扱いとなります。

亡くなったご遺体を葬儀場から火葬場まで運ぶ場合は「一般貨物自動車運送事業」に該当するため、運送業許可が必要になります。

該当しない場合(運送業許可が不要)

次に、運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)が不要なケースを見ていきましょう。

ケース①|自社の荷物を運ぶ場合

自社で製造した商品をトラックで加工先や得意先まで輸送する場合は、運送業の許可は不要です。

貨物自動車運送事業法では、「他人の依頼を受け、自動車を使用して有償で荷物を運ぶ事業」が運送業にあたるとされています。

ですので、トラックを使って自社の荷物を運んだ場合は、他人からの依頼を受けておらず、かつ報酬が発生しないため、運送業にはあたりません。

ケース②|運賃をもらわずに荷物を運ぶ場合(建設業者などによくあるケース)

先ほどの自社製品を運ぶケースでは、運賃をもらうことはないため運送業許可は不要でした。

しかし、運賃をもらわずに「他社の製品」を運ぶ場合はどうでしょう。

お察しのとおり、答えは運送業許可不要となります。

ただし、以下のようなケースは注意が必要です。

【例】

建設業者が元請けの資材を現場まで運ぶ場合で、請求書名目には「運賃」と記されていないが、実質的に運賃が人工代に含まれている

このようなケースでは、税務署の監査が入った際に運送行為をおこなっていると判断され、指導を受ける可能性があります。

コンプライアンスをしっかり守りたい企業は、運送業許可取得を検討しましょう。

ケース③|軽自動車(軽トラ)で荷物を運ぶ場合

他人から依頼を受け、運賃をもらって荷物を運ぶ場合でも、車両が軽自動車(軽トラ)であれば『一般貨物自動車運送事業』の許可は不要です。

軽自動車で運送業を行う場合は、『貨物軽自動車運送事業の届出』、俗にいう「黒ナンバー」の登録をおこないましょう。

※詳細は下記参照

ケース④|自動二輪車(バイク)を使って荷物を運ぶ場合

他人から依頼を受けて有償で荷物を運ぶ場合、自動二輪車(バイク)を使用するケースでは『一般貨物自動車運送事業』の許可は不要です。

いわゆる「バイク便」がこれにあたります。

自動二輪車(バイク)を使用して運送業をおこなう場合は、ケース③同様、運送業許可ではなく「『貨物軽自動車運送事業の届出』をします。

※ちなみに、二輪車の排気量が125cc未満の場合は、貨物軽自動車運送事業の届出すら不要となります。

旅客自動車運送事業

旅客自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業のことです。

『一般旅客自動車運送事業』3種類と『特定旅客自動車運送事業』があります。

対象サービスのイメージ

  • 運送業を始めようとされる方
  • タクシー事業を始めようとお考えの方
  • 貸切バスなどのバス事業をお考えの方
  • 許可を受けている方で、事業計画等の変更届が必要な方
  • 旅客運送業を営む会社で会社組織に変更が生じた方
  • その他運送業許可に関する手続きが必要な方
一般貸切旅客自動車運送事業 長さ9メートル未満でかつ旅客席数50人未満の車両を使用して行う旅客運送業のことをいいます。

観光バス・貸切バスといった、一個の団体と契約し、車両を貸し切って運送する事業が該当します。

一般乗用旅客自動車運送事業 乗車定員が10人以下の車両を使用して行う旅客運送業のことをいいます。タクシー・ハイヤー等がこれにあたり、都市型ハイヤー事業、介護タクシー、個人タクシー事業などが該当します。
一般乗合旅客自動車運送事業 路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する事業をいい、一般に路線バスやコミュニティバスが該当します。
特定旅客自動車運送事業 特定の利用者の需要に応じて、一定の範囲の旅客を運送することのみを事業とする場合がこれにあたります。ホテルや旅館の送迎バスやスクールバス、介護輸送等がこれにあたります。

貨物自動車運送事業

旅客自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業のことです。

『一般旅客自動車運送事業』3種類と『特定旅客自動車運送事業』があります。

一般貨物自動車運送事業 複数の荷主の貨物を有償で運ぶ事業で、一般的に、「運送業」と言われているのは、この一般貨物自動車運送業(トラック運送業)のことです。

この一般貨物自動車運送事業を行いたいというお客様の中に、事業に使用するトラックとして軽自動車を含めて良いかと質問を受けることがありますが、軽自動車は一般貨物運送に使用することはできませんのでご注意ください。

特定貨物自動車運送事業 特定の1社のみの貨物を有償で運ぶ事業の事です。

上記の一般貨物自動車運送事業との違いは、「荷主が1社に限定される」ということだけです。

貨物軽自動車運送事業 軽自動車や125cc超えの自動二輪車を使って貨物を有償で運ぶ事業で、一般的に「軽貨物」や「黒ナンバー」と呼ばれています。

 

貨物利用運送事業(通称「水屋」)

貨物利用運送事業とは、荷主と運送契約をして、自らは運送をおこなわずに運送事業者の運送を利用して行う事業で、通称「水屋」と呼ばれています。

要するに「自ら車両を持たずに他人に依頼し利益を得る人(会社)」です。

では、荷主に対する運送責任はどうなるのでしょうか?

荷主に対して一次的に責任を負うのは利用運送事業者となります。

実際に荷物を運んでいるのは、運送事業者ですが、お客様からのクレームなど運送責任は、利用運送事業者が行います。

貨物利用運送事業者は第一種と第二種にわかれます。

  • 第一種貨物利用運送事業

船舶・航空・鉄道・トラックのいずれか一つの輸送モードを利用して運送サービスを行う事業です。

  • 第二種貨物利用運送事業

幹線輸送(船 舶、航空、鉄道)に係る利用運送と、当該利用運送に先行し及び後続するトラックでの貨物の集荷及び配達(トラック事業者の行う運送にかかる利用運送を含む。)を一貫して行う事業です(ドア・ツー・ドア)。

第一種利用運送事業と第二種利用運送事業の違いについて下記をご覧ください。

第一種貨物利用運送事業 第二種貨物利用運送事業
運送方法 トラック・航空・船舶・鉄道

いずれか一つのみ

トラック→(航空・船舶・鉄道)→トラックの複合
申請 登録制 許可制
登録免許税 9万円 12万円
処理期間 2~3か月 3~4か月

一般貨物自動車運送事業の要件

では、一般的に「運送業」と言われている『一般貨物自動車運送業』の許可要件を見ていきましょう。

『一般貨物自動車運送業』の許可要件は、他の許認可と比べても非常に厳しいものとなっています。

『一般貨物自動車運送業』の許可は、「人」「もの」「お金」について非常に厳しい要件が定められたハードルの高い許可となっていますので、ひとつひとつ確認していきましょう。

「もの」の要件

1.営業所

まずは営業所の要件です。この要件で確認しておきたいのは①使用権限と②立地条件、そして③営業所の規模という3つのポイントです。

①使用権限

営業所の使用権限については、自己所有の物件であるか、他人の物件を借りているかによって証明するための資料に違いが生じます。

<自己所有の場合>

まず営業所の物件が自己所有の場合ですが、これは登記上の名義で確認がとれる必要があります。申請手続きにおいては、登記上の名義が申請者になっている登記事項証明書などを取得して、許可を受けるための証明資料とします。

<賃借物件の場合>

次に、営業所の物件が他人から賃借したものである場合ですが、これは賃貸借契約書の内容で確認します。物件所有者など権利者が賃貸人であること、これから許可を取得しようとする会社が賃借人であることのほかに、賃貸借契約書に2年以上の契約期間の記載がある(2年未満の場合は自動更新の記載のある)ことなどが求められます。

②立地条件

営業所に関する2つめの要件は、各種の法律上、その営業所の場所で一般貨物自動車運送事業を行うことが許されていることです。

より具体的には、都市計画法、農地法、建築基準法及び消防法その他関係法令に抵触しないことが求められます。また、許可申請ではその旨の宣誓書の提出が必要になります。

それぞれ、確認する必要がある法律の一部を見ていきましょう。

都市計画法

都市計画法では、事務所を設置することが不可能な地域ではないことが条件となります。

都市計画法における以下の区域においては、原則的に運送業の営業所として使用することはできません。

  • 市街化調整区域
  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域(一定条件の場合)
  • 第一種住居地域(一定条件の場合)

なお、「プレハブを運送業の営業所や休憩室として利用できますか?」という質問がよく寄せられますが、一定の条件を満たせば利用可能です。

建築基準法上の建築物とは、「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定められているため、プレハブ、ユニットハウス、コンテナハウス等も建築基準法上の建築物に当たります。

建築基準法の適用の範疇に入るので、そのままでは運送業の営業所として使用することはできません。原則基礎工事・建築確認申請をする必要があります。

※市街化調整区域内では、そもそも原則建築物を建ててはいけない地域になるため、建物に該当するプレハブ等も建てられません。

農地法

土地選びでよく問題になるのが、この農地法です。

希望する土地の謄本を確認し、登記上の地目が「田」「畑」でないかを確認する必要があります。

もし希望する土地が「田」「畑」であれば、土地の所有者の許可を得て、「農地転用」の手続きと「地目変更」が必要ですが、どちらもトラストの行政書士部門と土地家屋調査士部門で代行手続きが可能ですので、ご安心ください。

③営業所の規模

業務遂行上、適切な規模であることが求められ、原則として専有面積10㎡以上が必要です。

ただし10㎡未満であっても、机、椅子、電話等の事業運営上最低必要限度の設備(アルコール検知器をお忘れなく!!)を有し、かつ、 運行管理面においても支障のないものと認められることが挙げられます。

2.休憩・睡眠施設

続いて、休憩・睡眠施設の要件です。

営業所に併設が多いと思いますが、車庫併設でも可能です。営業所にも車庫にも併設されないことは避けた方がいいでしょう。睡眠を与える場合は、少なくとも同時睡眠者1人当たり2.5㎡以上の広さが必要です。睡眠施設が不要な場合は、休憩できるソファーやテーブルがあると良いでしょう。また、使用権限、立地条件等は営業所と同条件となります。

営業所と休憩・睡眠施設は別部屋である必要はありません。同室の場合はパーテーションなどで区分されているといいでしょう。面積を申請書に記載する必要があるので、動かない仕切りが必要です。

3.車庫

原則として営業所に併設していることが必要ですが、併設できない場合は営業所からの距離が直線5km以内(新潟県の場合)であれば車庫として使用可能です。

また営業所と同じく、農地法や都市計画法など関係法令の違反していないことも必要です。

その上で確認しておきたいのは①前面道路②収容能力という2つのポイントです。

  • 前面道路

車両制限令で道路構造の保全維持または交通の危険を防止するため、通行できる車両の幅等が決まっています。要するに車庫出入口の前面道路が運送業に使用する車両に対して適切な幅があるのかどうか(幅員証明)が必要となります。

前面道路の種類によって幅員証明が必要かどうか異なりますので、順にみていきましょう。

公道の場合

国道→不要

県道→必要

市町村道→必要

私道の場合

「私道」の所有者全員からの承諾書と最初に通る「公道」の幅員証明が必要になります。

月極駐車場を車庫とする場合

借りている場所から公道までの駐車場内の敷地を通行することについても「通行承諾書」が必要となります。

駐車場を契約した後に、幅員が不足していることが判明するというケースがありますので、契約前にぜひトラストへご相談ください。

車庫の前面道路について
車両制限令によって、車庫の全面道路の道幅(幅員)によって、使用できる車両の大きさが制限されています。

前面道路の道幅が6.5m以上であれば、問題ありませんがそれ以下であるような場合は、使用できる自動車が制限されますので、注意が必要です。

 

道路管理者より幅員証明を取得して、使用できる自動車の大きさを確認する必要があります。

  • 収容能力

車両がただ停められるだけでは、要件には該当しません。

車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50㎝以上確保され、かつ、計画する車両の全てを収容できるものであることが必要となります。

その上で、他の用途に使用される部分と明確に区画されており、敷地内における車両の通行に支障がないこと・駐車スペースに物を置いたり、他の用途に使用しないことが条件となります。

今後、車両を増やす予定はあるのか?車を大きくする予定はあるのか?検討しながら、物件探しをしましょう。

4.車両

続いて、車両の要件です。

まず、営業所ごとに配置する自動車の数は、最低でも5台以上が必要です。

車検証上の用途が「貨物」となっていることが条件です。

5台すべてトラックでなくてもよく、ライトバン・ハイエースも可能です。

しかし、セダンタイプの乗用車や軽自動車は一般貨物運送業の事業用車両としては認められていませんのでご注意ください。

また、トラクタとトレーラー(シャーシ)は1台としてカウントします

例えば、トラック・トラクタ・トレーラーの3種類を事業用自動車に登録するケースでは、

  • トラック4台
  • トラクタ1台+トレーラー1台

というような形であれば、要件をクリアできます。

なお、車両ついては、現に所有していれば車検証、リース契約の場合はリース契約書、購入する場合には売買契約書の添付が必要となります。

「人」の要件

  1. 運転手

運転手は、車両台数分の人数が求められるため最低5人以上(雇用予定含む)が必要になります。

申請時点で5人以上確保できていなくても、許可取得までに5人以上確保できる予定であれば問題ありません。

なお、運転手(ドライバー)は当然事業に使用する種類のトラック・トレーラーを運転することができる自動車免許を所持していなければなりません。

では、良くある質問をみてみましょう。

Q.日雇いの社員は良いでしょうか?

A.継続的に働く社員でなければいけません。

Q.正社員でなければならないでしょうか?

A.雇用期間2カ月超の派遣社員や契約社員でも可能です。(更新される予定がある場合)

2.運行管理者

運行管理者は営業所ごとに1人以上確保しなければなりません。

(車両の台数が29台までは1人、以降30台増えるごとに1人追加する必要があります)

運行管理者資格は国家資格であり、一般的には国土交通大臣指定試験機関の行う運行管理者試験に合格する必要があります。

運転手(ドライバー)と同様に申請時点で確保できていなくても、許可取得までに確保できる予定であれば問題ありません。

また、運行管理補助者の選任は義務付けられてはいませんが、運行管理者が不在の場合に備えて実際の運営上選任しておく必要があります。

運行管理補助者になるには、自動車事故対策機構(NASVA)等の行う「運行管理者基礎講習」を修了する必要があります。

3.整備管理者

整備管理者は営業所ごとに1人以上確保しなければなりません。

整備管理者になるためには、下記の要件を満たす者が必要です。

①整備士の有資格者

②実務経験が2年以上で陸運局が行う整備管理者講習を受講した者

①資格の場合

一級、二級または三級の自動車整備士技能検定に合格している方です。

選任届に、写しを添付します。

②実務経験の場合

整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の管理に関する2年以上の実務経験を有し、かつ、地方運輸局長が行う研修を修了した方です。

選任届に証明として、在籍していた会社より、実務経験証明書に押印を頂く必要があります。(複数の会社の合計が2年の場合、そのすべての会社から必要となります)

上記の証明にプラスして「整備管理者選任前研修修了証明書」の写しを添付します。

なお、実務経験については解釈が難しいので下記をご覧ください。

①二輪自動車以外の点検・整備に関する実務経験

  • 整備工場等における整備要員として点検・整備業務を行った経験(工員として実際に手を下して作業を行った経験の他に技術上の指導監督的な業務の経験を含みます。)
  • 自動車運送事業者の整備実施担当者として点検・整備業務を行った経験

②二輪自動車以外の整備の管理に関する実務経験

  • 整備管理者の経験
  • 整備管理者の補助者(代務者)として車両管理業務を行った経験
  • 整備責任者として車両管理業務を行った経験

①②の実務経験に加えて、運輸支局が実施している整備管理者選任前研修を修了していなければいけません。

年に数回実施されますが、すぐ満席になるようなので、受講されていない場合はすぐに申込することをお勧めします。(新潟の場合、申込先は、新潟運輸支局 検査整備保安部門です。)

4.欠格事由

許可の申請者が欠格事由に該当すると、一般貨物自動車運送事業の許可取得ができません。

申請者とは、個人事業の場合は個人事業主を、法人の場合は法人と役員全員をさし、欠格事由に該当していないことを確認する必要があります。

欠格事由に該当すると運送業の許可を取得できません。

  • 1年以上の懲役または禁固の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過しない者
  • 一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 未成年者または成年被後見人であって、その法定代理人が上記のいずれかに該当する者

5.役員法令試験

建設業許可など他の許認可であれば、資格を持った人がいた状態で申請手続きを進めますが、一般貨物自動車運送事業は、申請後に法令試験があります。

試験概要

受験者は、1申請に当たり1名のみです。

この試験を受けられるのは、個人事業であれば個人事業主、申請者が法人である場合は、常勤役員1名が受けなければいけません。

法令試験は、隔月で実施され、許可申請書等を受理した月の翌月以降に試験を受けます。

  • 試験時間   50分
  • 出題数    30問
  • 合格基準   出題数の8割(24問以上)

出題範囲は自動車運送事業に関する以下の法令となります。

1.貨物自動車運送事業法

2.貨物自動車運送事業法施行規則

3.貨物自動車運送事業輸送安全規則

4.貨物自動車運送事業報告規則

5.自動車事故報告規則

6.道路運送法

7.道路運送車両法

8.道路交通法

9.労働基準法

10.自動車運転者の労働時間等の改善のための基準

11.労働安全衛生法

12.私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

13.下請代金支払遅延等防止法

※運送業の法令試験は2回チャレンジすることができ、もし不合格の場合でも次の奇数月に再受験することができますが、2回目も不合格の場合は申請取下げとなってしまうため、しっかりと試験対策を行う必要があります。

「金」の要件

1.資金

事業を開始するために必要な資金計画を作成し、資金計画以上の自己資金を準備する必要があります。

なお、「資本金」ではなく、事業開始に要する資金以上の「自己資本額」があることが必要です。

それでは内訳と目安について見ていきましょう。

人件費 役員報酬・給与・手当 6か月分
賞与 支給額×支払回数×1/2
法定福利費 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料の事業主負担分 6か月分
厚生福利費 給与、手当、賞与の2%
燃料費 月間走行キロ概算÷ℓ当たり走行キロ×ℓ当たり単価×5台分 6か月分
油脂費 燃料費の3%
外注修繕費 月平均×5台分

1年でどのくらいかかるかを月割りします。

6か月分
自家修繕費・部品費 月平均×5台分

1年でどのくらいかかるかを月割りします

6か月分
タイヤチューブ費 月平均本数×1本単価×5台分 6か月分
車両費 ・購入の場合

a.一括払いの場合は取得価格

b.ローンの場合は頭金+ローン1年分

・リースの場合

リース料1年分

施設購入・使用料 ・土地・建物購入費

a. 一括払いの場合は取得価格

b. 割の場合、頭金及び1年分の割賦金

・賃貸の場合

賃貸料1年分

什器・備品費 取得価格

新たに購入する備品等です。なければ0でも構いません。

 

※アルコール検知器の設置をお忘れなく!!

施設賦課金 自動車税及び自動車重量税、環境性能割

税事務所などで確認します。

1年分
保険料 自賠責保険及び任意保険

任意保険は御社にて保険会社さんへ見積もり依頼をお願いします。

1年分
登録免許税 12万円(許可後に納付します)
その他 旅費、会議費、水道・光熱費、通信・運搬費、図書・印刷費、広告宣伝費等 2か月分

この資金計画書は、人件費、燃料費、油脂費、修繕費、車両費、施設購入・使用料等、様々な項目を細かく計上しなくてはならないのですが、ご自身で作成できないとお困りの声が多々あります。

トラストにご依頼いただければ、お客様からヒアリングを行った上で作成させて頂きます。

また、よく、「実際どのくらいの金額が必要でしょうか?」とご質問頂くことがあります。

例えば、営業所や駐車場が自己所有か賃貸なのか、トラックを既に所有しているかこれから購入するかなど、事情によりご用意いただく金額が変わってきますので、事業を開始するために必要な資金は、一概に○○万円と言えません。

また、所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていることも必要となります。

預金残高証明書の提出は、運送業の許可申請の日と役員法令試験合格後の運輸局が選んだ任意の日の2回になります。

預金残高証明書の発行日において、自己資金が資金計画の所要資金を下回ってしまうと、申請の取下げになりますので、何度も記載してますが、必ず常時確保されているようにご注意ください。

2.損害賠償能力

運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を取得するためには、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入のほか、一般自動車保険(任意保険・対人賠償無制限)へ加入することにより、十分な損害賠償能力を有することが必要です。

対人賠償額は「無制限」、そして最低でも対物賠償額「200万円以上」の任意保険に加入することが求められます。

※多くの運送事業者は、対人・対物ともに無制限の任意保険に加入されております。

また、危険物の輸送に使用する事業用自動車は、上記の任意保険に加えて、危険物輸送に対応する適切な保険に加入する計画があることも求められます。

まとめ

『一般貨物自動車運送事業』の許可申請手続きは、非常に難易度が高い行政手続きです。

運輸局が出している手引きに記載されている必要書類をただ揃えて運輸局へ提出すれば許可を取得できる、というようなものではありません。

スピーディーかつ確実に許可を取得して運送事業を開始したい方は、許認可申請の専門家である行政書士にご依頼ください。

トラスト行政書士事務所では、司法書士部門・土地家屋調査士部門を併設しているので、

付随する様々な手続きが発生しても、ワンストップでご依頼いただく事が可能です。

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